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感覚

  • 執筆者の写真: douglas evis
    douglas evis
  • 7月6日
  • 読了時間: 2分
持っている布の切れ端をサンプルにしたもの
持っている布の切れ端をサンプルにしたもの


デザフェスに持っていく巾着を作りながら、

私はどうしてものを作っているのかをずっと考えていた。


写真、絵、刺繍、洋服。

何かを作る理由を、ずっと

”きれいなものが見たいから”とか、”手を動かすのが好きだから”って答えていた。

実際そうなんだけど、それは表面的な理由。

なにか違う、なにか別のものがありそうなんだよなぁと思いながら、

ずっとそのことについて考えていた。


で、出た答えが


”気持ち良いから”。


ミシンの揺れ。

刺繍糸の通った針を布に刺す感覚。

写真を撮る時に差し込む光。

ペンでなぞる曲線の強弱が手に響く感覚。


そういった感覚が、なんだか”良いなぁ”とか、”気持ち良いなぁ”と思うから、やってる。 それだけなんだなと思った。


だから、作家になりたいのかと言われればなんかピンとこない。

自分にとって、”気持ち良いな”と思うことを、

写真や絵、刺繍や洋服作りという形を通して経験しているだけなんだと思う。


ただ、感覚を味わいたい。

あまりにも抽象的だし、些細なことだから

それをいまいち自覚していなかった。

やれ技を磨こうとか、上達するんだとか思い始めると、

変にプレッシャーを感じ始めるし、嫌になって、やらなくなる。

目的がズレてるから、気持ちよくなくなってしまうんだよね。


ただ、感覚を味わいたい。

野菜を包丁で切る感覚。

輪切りに切ったきゅうりの断面からにじみ出る水分。

近所を歩く子どもの笑い声。

そういったことに気持ちよさを感じていたのだと、

最近になってようやく自覚し始めた。


とても些細なことだけど、

至るところにあるもの。


せっかく気づけたのだから、

これからはそういった感覚を

もっと大事にしていこうと思った。





 
 
 

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